第66回 ジュピター官能小説大賞 新人賞 受賞作品

「柔らかな悪意」(後編) 

 

田中多朗 著

                  

            

本作品の著作権は上記の著者に属します。よって無断転載及び本文からの引用は、これを固くお断りします。個人の家庭内での購読目的に限り、印刷及び仕様の変更を許可するものとします。〈ジュピターインターノベルズ〉

 


 

 大学での昼休み、昼食は食堂よりも安上がりな弁当派、周平は手作り弁当をたいらげた後、食後の麦茶を飲んだ。同席している友人、野川が聞いた。

「今日も、亜美ちゃんの手作りか」

「おう」

周辺から、グサグサと美少女の手作り弁当を羨み、嫉む視線をぶつけられつつ、周平は頷いた。

「今日の玉子焼き、ちょいと薄味」

「それにしても、なぜお前が・・・俺の時なんて、弁当はおろか、言葉さえあまり交わしてもらえなかったのに・・・」

周平は黙って茶を飲み干した。野川の虚ろな問いは続く。

「お前のどこがいいんだ、顔だってスタイルだってファッションだって、俺の方が上だ、授業のノートの売値が、ページ単位でなく、一文字単位で値をつける、一時が万事、そんな阿漕な商売人のお前のどこがいいんだ。惚れ薬でも飲ませたのか?それ、どこで売ってるんだ、作ったのか、言え、教えてくれ」

はー、と、周平はため息をついた。発端は、周平の弁当を、亜美が作って持ってきたことだ。彼女の中学も弁当なので、亜美言うには、一人分も二人分も作る手間は同じらしい。

それだけならよかった。問題は、亜美が学校の昼休みを抜け出して、わざわざ大学まで持ってくることだ。いくら人の多い大学構内といっても、中学の制服を着た少女、しかも、とびきりの美少女は、異常なほど人目を引いた。そして、周囲の男共が固唾を呑んで見守る中、頬を桜色に染め、はにかんだ表情で実にファンシーな弁当箱を周平に差し出す。

・・・その場面を見てしまった周平の仲間達は、ショックのあまり授業を早退した。

亜美を見た瞬間に恋に落ちてしまった、アニメおたくのロリコン男は、周平を生涯の敵と決めつけ、闇討ちを仕掛けてきた。

亜美を舞い降りた天使だと偶像扱いしているオカルトマニアは、周平が清らかな亜美を堕落の沼に引きずり込もうとしていると糾弾し、周平の髪を採取して、只今わら人形を作成中らしい。美少女が与える世間の衝撃は大きい。

「いや、しかし、夜道でいきなり殴り掛かって来たのが、あの鎌野と決め付けるのは、早計では?」

「何を言う。世間広しといえど、「魔法戦隊桃色ルン」のキャラクター手ぬぐいを覆面代わりに巻きつけて、夏のコミケの限定販売、直筆イラストのルンちゃんTシャツ着てる、アンコ型体型男なんかそうそういるか」

「えらく、Tシャツの由来に詳しいな」

「俺がバイトで、直筆イラスト描いたTシャツだった」

「・・・・・・」

「しょうがないだろ、コンパ代稼げばいいお前らと違って、俺は明日の授業料稼いでるんだ。何せ下に弟三人、山木家の教育費は大変なんだよ」

傍から見れば、その妬み嫉みを買うこと自体が男の勲章と言われなくもないが、実は周平は少し、困っている。

ひたむきすぎる。

処女を奪われるという体験と、エクスタシーと、信頼感と、強烈なものを与えすぎたことによるショックで混乱し、恋心と勘違いしているように見える。しかも父親不在の、独断的な母が支配する家庭生活だ。不安定な年頃だから、何かすがりつける人が欲しいのだろう。亜美のそんな心が透けて見える分、危なっかしく、かといって、必要以上に踏み込む訳には行かず、どうしていいのやら、だ。

それでも家庭教師という立場から、週に三回、夕方の三時間、そんな少女と部屋で二人きりになる。

「周平さん、恋人、いるの?」

「忙しいから作る気ない」

「・・・妹、欲しく、ない?」

「弟三人で手一杯。これ以上増やす気ないね。それよりも、今は授業中ですので、亜美さん、私語はつつしみ、先生と呼ぶように」

そっけない返答に、亜美のきれいな顔に、淋しげな翳りが浮かぶ。美少女はその翳りさえも美の従属物として、周平の心を突き回すが、負けてはいけない。

しかも、亜美の部屋のドアの外、人の気配がする。多分母親だ。流石に女親だけあって、娘の幼い、揺れ動く感情に気が付いたらしい。

最近聞き耳を立てている。下手な事言ったら、クビになりかねない。

最近、周平は授業が終わった後、夕御飯を食べていくよう、亜美の母親に勧められる。

周平のアドバイス通り、亜美の趣味だった絵を許した事が亜美にいい影響を与えたか、成績が上がったらしい。それに今まで頑なだった亜美が、周平にはなついているので、母親の中で周平の株は高い。

「・・・お母さん、勉強中、ドアの前で聞き耳立ててない?やめて欲しいな」

おかずの卵サラダを周平の皿に取り分けながら、亜美が文句をつけた。母親の伸江は眉をはねあげた。

「してませんよ、ずっと一階にいたわよ。お兄ちゃんが通りがかったんじゃないの?」

「この魚、旨いですねぇ、ところでお兄さんは降りてこないんですか?」

さりげなく、この母子の衝突を逸らすのも、周平のここでの役目になりつつある。

伸江が嘆いた。

「帰ってきてから、部屋にこもりっぱなしでしてねぇ、学校のお友達が亡くなったのが、余程ショックだったみたい。当分、高校の寄宿舎出て、家でそっとしといたほうがいいとお医者様もおっしゃっていますから、言うとおりにしているのです。食事も後で運んでいるんですよ」

そして、大きくため息をついた。

「でもずっとこのままじゃね・・・山木先生にあの子の勉強も、見てもらおうかしら」

亜美の表情が硬化した。気が付かない振りして、周平は食事を終え、礼儀正しく挨拶した。

「ご馳走様でした。それじゃ、僕はこれで」

外に出ると、亜美が追ってきた。

「コンビニ行くから、途中まで一緒にして」

夜道を連れ立って二人は歩き始めた。遠慮がちに亜美の手が、周平の手に触れて、手を繋ぎたそうだが、周平は気が付かない振りをする。

・・・あれから、性行為はおろか、キスもしていない。

手作り弁当は受け取ってくれる。食べてくれる。授業の教え方もやさしいし、絵がまた描けるように取り計らってもくれた。

やさしい。でも、そっけない。周平の心にとって、自分はどの位置にいるのか、確かめたい。人気のない、公園にさしかかった。

「・・・周平さん、公園、寄って行こう」

昼間は子供と主婦の社交場だが、夜は誰もいない。木々のつくる暗がりと、植え込みの陰が夜には不気味で、墓場の様だ。しかし、

こういう場面ではちょうどいい場所だった。

木立の陰の、ベンチに並んで腰掛けた。

「あの・・・周平さん・・・」

「先生とお呼び」

いきなりの牽制球に亜美はたじろいだ。しかし、勇気を奮い起こす。本来恥ずかしがり屋で、男慣れもまだな中学生にとって、それは必死の一言だった。

「もう、キスも、してくれないの?」

「・・・・・・」

「私の事、可愛くない?」

周平の顔を、まともに見ることさえ出来ない位、体は強張っているが、それでも手をそろそろと伸ばし、周平の手を探る。

「・・・周平、先生が、すごく、好き」

だから、と、ぎこちなく周平に体を押し付けた。周平の心が見たかった。そのためなら、ここで体を開かれて抱かれても、恥ずかしい行為を強制されてもいい。

ううむ。

周平は夜空を仰ぎ見た。輝き散る星達に、

僕、どうしたらいいんでしょうと聞きたい気分だ。

健気で、ひたむきで、すれてなくて、しかも、正統派の清純派美少女、でも中学生。

まだアンバランスなお年頃なだけに、無責任な事も言ってやれないし、かといってはぐらかすのもいかん。ちゃんと向き合わないと。

「亜美、たぶん寂しいだけじゃ、ないのかなぁ。俺が好きとか、そういうことより、心の支えって奴が欲しいだけだろう。そこのところ、勘違いしたらやばいぞ」

「・・・先生・・・」

「世の中、それに付け込む悪い奴もいるから、気をつけろよ。亜美は可愛いから、尚更な。それより、お兄ちゃん今大変なんだろ?亜美が支えになってやれ」

息子がこんな状態の時でさえ、学校の授業の遅れを気にする母親の伸江の言動が、周平には引っかかる。

亜美は立ち上がった。そして、歩き去った。










 「ご飯よ、置いておくわね」

声がした。

小野隆志は部屋の中で、ダンボールに入った「神」の体を撫でてから部屋のドアを開け、素早く食事の置いてあるトレーを引き入れた。

「神」の姿を母に、妹に見られたら厄介だ。

「神」との出会いは、呪いからだった。

隆志には殺してやりたい同級生がいた。小学校の時から同じ学校で、郷田という。小学校のときから、隆志の方が学校の成績は良かった。同じ高校に受かったにしろ、隆志の方が合格点は高かったはずだ。しかし、いざ高校に入ったら、郷田は隆志よりも学力をつけ始めた。そして、ついに実力テストで抜かれる日がきた。郷田が隆志に笑いかけた。

「子供の頃は、神童と言われて、いつのまにか只の人になるタイプだよなぁ。頑張れよ、もしもそうなったら、勉強ばかりしていたお前の小学中学の時代、無駄になるぞ」

頭に血が上った。何いい気になっている、餓鬼の頃から、俺の後ろをついてくるのが精いっぱいだったくせに。いま少し、調子が良くなったくらいでいい気になりやがって。

しかし、隆志のスランプは続いた。あせりが更に不調の手助けをし、集中力も落ちた。

暮らしている寄宿舎の裏に、古い祠があった。今まで気にも留めなかったが、ある日祠に向かって、言った。

「郷田の奴が、くたばりますように」

足元に、死んだ雀が落ちていた。指先でつまみあげ、祠の前に放った。

「供物だよ」

祠の陰から出てきた「神」を見たとき、最初は蛇かと思った。蛇が雀の死骸を細長い胴体で巻き取ったかに見えた。しかし、細長い胴体には鱗が無く、内臓のようなぬめりがあり、全貌を現せたその姿は、サッカーボール大の、紫色のイソギンチャクのようだった。

・・・不思議だった。見た目はグロデスクで、初めて見る得体のしれない生き物のはずなのに、なぜか嫌悪感は湧かない。鳥の死骸を体の中央にある口腔に押し込め、ブルリ、と震えた。隆志の手が、自然に伸び、その生き物に触れた。生暖かく、ぬめりがあり、光沢がある。

数日後、郷田が寮のベランダから転落して死んだ。ベランダの下の、石畳の上は血の海で、頭の割れた郷田が倒れていた。

第一発見者は隆志。隆志は郷田の死体に広がる赤い血を、触手をもたげて舐めていた「神」を急いで草むらに隠し、寮の管理者に通報した。

この生き物は何なのか、自分でもなぜこれを「神」と思っているのかはよく分らない。

だが、この生き物には隆志の気持ちを落ち着かせる不思議なものを持ち、隆志と通じ合う何かがあった。

郷田の死体の首に、生前付けられたらしい何かが巻きついた痣があったと聞いたとき、郷田を殺したのは、これだ、と確信した。そしてイソギンチャクを探した。やはり、祠の陰で、隆志を待っていた。祠で出会い、隆志の望みを叶えてくれる、「神」だ。

ワタシを家につれて帰れよ、と「神」は隆志の心の中へ囁いた。

お前の鎖を、解いてやるから。自由にしてやるから。










 兄の部屋の前を通りかかると、ドアの前に食事を終えた後の皿があった。亜美は皿を取り上げた。

小学生の頃から同じ学校の、寮に住んでいた同級生が、転落死した。第一発見者は兄の隆志だった。

それ以来、独り言が多くなり、授業もうわの空で、時折誰もいない空間に向かって、一人で話しているのを寮の同室の人が気が付き、医者に見せた。最近、学業不振だったことに引き続き、同級生の死が精神に深いショックを与えたのだろうと、医者は診断した。

しばらく、落ち着くまで家で休んだほうがいいとのことで帰ってきたが、逆効果ではないかと亜美は思う。兄は、母に支配されていた。

そんな生活がいやで、家を出たのに。

しかも、母は、兄の心の傷よりも学業の遅れを気にしている。

「山木先生に、あの子の勉強も、見てもらおうかしらね。承知してもらえるかしら」

「・・・お兄ちゃん、それどころじゃないでしょ、友達死んだのに」

「あの子が殺した訳じゃないでしょ、それに只でさえ、最近学力が落ちてるのよ。これ以上は食い止めないと」

亜美はため息をついて、兄の部屋のドアを見た。聞こえているとしたら、どんな思いだろう。子供の頃から、いつも期待され続け、成績が人よりいいことを目標に走らされてきた。

スランプにかかることさえ、許してもらえない。

「亜美、あなたにも、本当はあまり絵を許したくなかったんですからね。山木先生がどうしてもとおっしゃるし、ま、あの先生はS大にストレートで入ったくらいの人だから、そう間違いは言わないだろうと思って」

『亜美、多分、寂しいだけじゃ、ないのかな・・・』

周平の言葉が蘇る。

そうかもしれない。時に、何もかも壊してしまいたくなる。受験、親、そして自分。

部屋に入り、ベッドに倒れこむ。隣の兄の部屋からは、何一つ物音が聞こえない。一日中あの空間にこもり、何を考えているのだろう、と亜美は兄を思う。

そして、周平を思う。

部屋着の簡素なワンピースの裾に、手を潜りこませ、何時か周平に触れられた部分に手が伸びた。もう片手は、乳房を掴んでいた。

指はショーツの中に包まれた、隠微な場所に向かい、何時だか、周平にされたことを反復する。

亜美は目を閉じ、自分の手を周平の指に置き換えた。こうやって、ぬかるみの中を掻き混ぜられ、敏感な花芯をそっと探られた。あふれ出す蜜を、秘所全体に指でまぶされた。

乳房は手のひら全体でやさしく揉まれ、乳首を摘み、転がされた。

「せんせ・・・周平、さん・・・」

周平を求めて、膣がひくつきはじめた。

亜美はそろそろと、指を膣に入れた。誰も見ていないと知っているが、恥ずかしい。

「・・・こんな風に、なってたんだ・・・」

自分の持つぬかるみに、指を差し入れ、熱さと柔らかさに陶然とする。ここで、周平を迎え、やさしく、いやらしく弄ばれ、周平の精を幾度も受けたのか。

周平の名を、小さく呼びながら、亜美は始めての自慰行為に、周平との行為を追体験した。

花芯は、硬くしこっている。膣から蜜をすくいだすように、指でかき混ぜながら花芯をこすりたてる。背中に後ろめたい快美感が走る。

体が熱い。

例え、周平の言うとおり、心の拠り所が欲しいだけかも知れなくても、周平を求める気持ちに偽りはない。周平さえいてくれたら、大好きな絵だってやめる。二人きりで、兄のように一室に引きこもって暮らしたっていい。

「周平、さぁん・・・」

亜美は体を反り返らせ、服の裾を大きくまくらした。あふれた蜜で、染みをつけたショーツに手を差し込んだままの姿で、大きく震えた。亜美は切なさと恋しさで一杯になりながら、想像のなかで周平に犯されていた。





 妹と母親が、自分の部屋の前で交わす立ち話を、隆志は醒めた頭の中で聞いていた。

幼い頃から、母の伸江のお気に入りだった。

時に押し付けられる要求に、違和感を覚えることがあったが、その違和感を押し殺して、子にとっての絶対者に従った。そうやって従っていくうちに、隆志は気が付いた。自分が伸江の「自慢の息子」でなく、「人に自慢する道具」であることに。そして伸江は「母」でなく、「支配者」であることに。

支配から逃れようと、何度も暴れたが、生まれたときから刷り込まれ続けた「母の影」から逃れることは出来なかった。暴れる兄を止めようとする妹の泣き顔も、嵐を鈍らせた。

家を出た。しかし、家を離れても、自分の中のどこかに、母を感じる。血がつながっているとはこのことか。

元を、断てばいい。

「神」が心に語りかける。

あの女の、お前と共有している血を、流して捨ててしまえ、そうすれば、今お前に流れている血は、お前一人のものだ。

さあ、願え。

・・・・願え・・・ねがえ・・・ネガエ・・






 今日も大学構内の山木周平の元に、亜美がやってきた。「山木に昼の弁当を届けに来る、中学生の超美少女」はすでに有名で、今や、2時限目の講義が終わるや否や、美少女マニアにアニメおたく達が、亜美見たさにさりげない素振りで、周平のそばにやってくる。

「・・・亜美さん、ちょいと話が・・・」

弁当を差し出す亜美を、周平は外に連れ出した。ざわり、と背後の気配が渦巻いた。

廊下に出て、人気のない非常階段の踊り場にでた。非常階段の出入り口用鉄扉を閉め、亜美と二人になったのを確認し、向き直った。

「亜美さん、あのね・・・」

「亜美って、呼んでくれないのね、最近」

「俺は、君の家庭教師だ。そう、決めた」

すねていた亜美の表情が、消えた。

「君の好意は嬉しいよ、でも、今は不安定な年頃だから、恋も不安も、ごっちゃになっているんだと思う。そう思うと、君の思う様な形で、傍にいてやることは出来ない」

・・・亜美の心が、冷えた。ようようふりしぼった声は、擦れていた。

「好きなのと違うって、周平さんが、思ってるだけでしょ?」

「・・・・・・」

「自分の気持ちくらい、自分で分るわよ」

周平の、困りきった顔が目の前でぶれる。

泣きたい、怒りたい、だだを捏ねたい。でも、周平を困らせたくない、でも困らせたい。相反する感情が亜美の中で暴れた。亜美はつぶやいた。

「帰る」

泣き出さないうちに、だだをこねないうちに、これ以上、周平の困り顔を見たくない。

非常階段から下に降りて、校門へと向かう亜美を黙って見送り、周平は息を吐いた。

泣き出してくれるほうが、まだマシだった。

周平を困らせまいと、周平につけられた自分の痛みすら、押し隠す、亜美のそのひたむきさが、周平をかえってえぐる。

その時。

頭にノートが、消しゴムが、ペンが飛んできた。となりの教室の窓から、大勢のギャラリー達が踊り場を覗き込むように、身を乗り出し、周平に非難の視線と罵詈雑言を浴びせた。

「貴様っあんな可愛い子になんてことをっ」

「いたいけな少女に残酷な!」

「女にあそこまで言わせて、女の敵だわっ」

「もーてめーからノート買うもんかぁっ」

一部始終、ライブで見られていたらしい。

周平の顔から火が吹いた。絶叫がどもった。

「お、お前ら覗きなんて、あ、あ、悪趣味だぞっ」

踊り場と、校舎の窓をはさみ、文具と悪態、非難が一対多数で乱れ飛んだ。





 あの後、どうやって中学に戻り、どんな授業を受け、どんな風に家に帰り着いたのか、亜美は自覚がない。

周平に好きな人がいると、そうであった方が、いっそ良かった。諦めがついた。

この気持ちを、切なさを、恋と違うものだと否定される、悔しさと悲しさと、愛しさが亜美の心をうつろにしている。もしもいつもの状態なら、ドアを開けた瞬間に、肉食獣に狙われている兎のような、防衛本能が働いたかもしれなかったが、気力もない状態の為、家に入ったときに、部屋の中に漂う異質な空気に鈍感だった。

伸江はいないらしい。

亜美は、二階に上がった。上がりきった所で息を呑んだ。伸江がいた。倒れている。兄の部屋のドアが開いている。

「お母さんっ?」

亜美は叫んで駆け寄った。また兄が、暴れたのかと思ったのだ。気を失っている。救急車だ。電話のある一階に戻ろうとした。声がかかった。

「おかえり」

振り向いたら、兄の隆志が微かな笑いを浮かべ、亜美を見ていた。

「お兄ちゃん、お医者さん呼んでっ」

「・・・なんだか、大きくなったな、亜美」

何言ってるのよ、と亜美は叫んだ。

もともと、あまり外に出なかったせいか、普通の少年より、隆志は色白だ。顔立ちも亜美の兄だけあって、整ってるものの、白い顔とあいまって、どこか隠花植物を思わせる陰がある為だろうか、秀才でもあるのに、女子から敬遠されていた。

「亜美はさ、屠殺される家畜の為に、医者呼ぶこと、する?」

・・・言ってる意味を亜美は図りかねた。

「屠殺の途中なんだ」

隆志は笑った。

「でも、こいつ屠殺してる間に、亜美に逃げられちゃうね」

お兄ちゃん、と、亜美は咽喉の奥で呻いた。

目の前に倒れている伸江、兄の言葉、自分の身に、何が起ころうとしているのか、理解できたが理解したくない。本能は逃げようと亜美をせっつくが、理性が現実を認めない。本能と理性のせめぎあいが、亜美の体を縛った。

兄の後ろから、顔を出すようにして姿を見せるものに、亜美の混乱は限界に達した。

紫黒い、イソギンチャクみたいな、生き物。

人間の内臓が、蠢きのたうっているようにも見えた。

触手が伸び、亜美の脚にぬらりと巻きついた。

大きい。直径五十センチはある。しかも伸び縮みしている。

亜美の発声器官が麻痺した。今までに見たこともない、おぞましく、未知の生物の突然の出現に、亜美の精神は混乱と恐怖によって、白くなっている。

「・・・い、いやだ・・・おにい、ちゃん、何、どうし、て・・・」

「ああ、服が邪魔なんだ。そうだな」

隆志が触手に頷いて、意志を通わせているのに、亜美は戦慄した。隆志の手が、亜美の制服のブラウスにかかった。身をよじろうとしたが、触手が腕に巻きついて頭上に掲げ、自由を奪った。隆志の手が、実の妹のスカートを下ろし、ショーツを奪う。ブラウスは前を全開にし、ブラを外した。 白く、可憐な妹の裸身に、隆志は目を細めた。

薄い恥毛に、小ぶりな乳房、桜色の乳首、まだ蕾を思わせる、華奢で清楚な体なのに、どこか淫靡なベールを纏っている。

兄の動物的な眼に晒されて、亜美は顔を背けた。禁忌感が、沸き起こる。

「見ないで・・・やめて・・・」

本体らしき部分から、放射線状に伸びる触手が、縛りあわされた手を引っ張るポーズで亜美の上半身を吊りさげ、廊下の壁に押し付けた。両の膝には触手がやはり巻きつき、M型に脚を吊り開いた。

両乳房に触手が巻きつき、引き絞ってふくらみをまろびだした。腹に、太腿にも巻きついた。股間に幾本かの触手が伸び、丸出しの秘所をゆっくりと撫でる。臀部に回り込んで、尻の割れ目にぬるりと割り込む。触手表面に分泌されている粘液が亜美の体を汚し始めた。

「あ・・あ・・やだ・・・」

体中に巻きつき、這い回るヌルヌルとした感触に、亜美は嫌悪感と恐怖に、身が震えた。

おぞましい思念が、頭に雪崩れこむ。

殺す前に、嬲っている。

母は、倒れて気を失っている。

兄は、妹が化け物に嬲られる様を、興味深げにただ見ている。

肉親二人の前で、亜美の体は触手に征服されていった。

触手はうねうねと、先端で乳房をつつき、よじり、乳首の先端を擦るようにうごめいた。

もう片一方は巻きつきねじるように揉んでいる。脇、腹、背中、触手は這い回り、粘液をこすりつけた。秘所には本体が貼りつき、花びらを探り、花芯を吸っていた。本体が人間の頭みたいなもので、口腔らしき場所の中には舌みたいなものもあるらしい。動きが似ている。

「やめて・・・助けて・・・あぁ・・・やだ、やだぁ・・・おにいちゃん、お願い・・・」

亜美はすすり泣いた。体の感覚が麻痺し始めた。おぞましい快美感が、体を走り始める。

「や、やだぁ・・・」

這い回る触手に、快美感を覚えたことを自覚した亜美は、己に戦慄した。その亜美をあざ笑うかのように、触手は乳房を揉み、こすり、擦りたて、同時に秘所を嬲った。菊門も同様、粘液をまぶされ、浅く先端が入った。

「ん、んあぁ・・・んっ」

思わず、よがり声をあげた。隆志が唇を歪め、妙に酷薄な目で、犯される妹を眺めている。

「い、いやぁっ・・・あ、あぁ・・・あっ」

亜美は咽喉を反らし、太腿を引き攣らせた。

体中を、舐めまわされている感覚に包まれつつある。秘所は執拗に、本体にしゃぶられ、やさしく、そして強く吸い、舌が膣に差し込まれる。亜美の頭の芯は痺れ、霧に包まれ始めた。体は暗い官能と、歓喜に浸され始めた。

しかし、精神はそれを嫌悪し、絶望する、逃れようとするが、黒い官能の海に漬かり始めた。精神と心が引き裂かれる苦痛に、亜美は呻いた。触手に、嬲られていないところはなかった。体の隅々まで、粘液が塗りこまれた。

「ああ、ああ・・うぅん・・・」

体が熱い。嬲られっぱなしの秘所が、熱をもって、膣がひくつきはじめた。熱く、硬いものを求める。欲しくてたまらない。そんな自分がおぞましい。

本体が亜美の股間から離れた。隠れていた亜美の秘所が晒された。妹の、濡れ光る秘所に、隆志は視線を注いだ。

見ないで、蕩けきった声で、亜美は懇願した。

「見ないで・・・ああぁ・・・ん」

「すごい、亜美・・・」

隆志は嘆いた。

「こんなに、たくさん濡らしてる。気持ち、いいのか」

亜美はしゃくりあげた。常軌を脱した状況で犯されながら実の兄に秘所を晒し、そんな質問をされる情けなさに。

うぅ、と喘ぎ、脚を閉じようとしたが、体に力が入らない。塗りつけられた粘液は、媚薬の様に体中に染み込んで力を奪い、体を火照らせた。ニュル、と触手が秘所の上を這った。

充血した花芯を擦られ、亜美の体が跳ねた。

呼吸も髪もが乱れ、上気した顔と体は粘液で濡れひかり、弛緩している。晒された秘所は、粘液と膣からあふれ出した蜜で濡れそぼって、ひくついていた。

「あ・・・あぁ・・・」

ぐったりと垂れていた亜美の頭が跳ねた。幾本かの触手が、それぞれ花芯を擦りながら、花びらをしゃぶりながら、菊門を、両乳房を嬲りながら、そしてついに膣に侵入した。一本、二本、三本。亜美は絶叫した。

悪夢だ。やめて、嘘だ、嫌だ、助けて。

心を裏切って火照った性器は、触手を受け入れた。膣奥で触手は、人間の肉棒ではありえない動きでそれぞれ蠢き、膣壁をこすり、粘液を塗りこめた。やがて、亜美の体に染みた媚薬は、その恐怖ですら快楽の従属に変えた。

「はぅ・・・あ、あぁっ、あんっ・・あ」

嫌悪と、恍惚が、愛らしい顔に浮かび、喘ぎが口から漏れ出でた。両腕を頭上に掲げていた触手が、前に体を引っ張り、亜美を倒し、あお向けた。イソギンチャクが亜美の腹部にのしかかり、触手の動きがさらに淫らになった。

あふれる蜜にまみれて、三本の触手はそれぞれ微妙なリズムで亜美の膣をくねくねと掻き混ぜながら挿入した。秘所全体を嬲ることも忘れていない。

「はぅっ、あぁあん・・・あ、あ、あぁ」

亜美の声が止まらなくなった。何度も痙攣し、悶え、気を失い、そしてまた喜悦に目覚め、痙攣する。死とおぞましさの恐怖に、闇の喜悦と官能に、やがて精神は喰われ始めた。

悪夢の現実から、甘美な狂気に亜美は沈む。

「シュ、へ、い・・・・さあん・・・」

目の奥に、幻覚と狂気が漂いはじめた。

周平の体の下で、亜美は腰をくねらせた。

ずっと欲しかった。周平が、すごく。

今、願いが叶い、周平に組み敷かれ、熱い肉棒に膣を貫かれ、体中を嘗め回され、つままれ、蠢いている。先生、と亜美は、また襲いかかる快楽に体を仰け反らせた。

「死んじゃう、周平さん、もっと・・・あぁ、や、やん、あ、あぁん・・・」

触手が亜美の口元を突いた。亜美は幸せに震えながら口をわずかにあけ、受け入れた。

周平とのキスは、触手の口腔の蹂躙だった。やがて、粘液を亜美は飲み込み、吐息をついた。触手は亜美をうつ伏せにした。

亜美は尻を突き出した。イソギンチャクは亜美の背に乗り、触手をもたげ、後ろから膣に挿入を開始した。

「あぁーっ周平さぁん・・・んん・・すごい、変になるぅ・・・あぁーっ」

ぐちゅぐちゅと膣が音をたてた。膣いっぱいに蠢く触手を、亜美は締めた。

もう、何も目に入らない。気を失い、倒れている母も、乱れる妹を光る目で舐めまわす、兄の存在も。

膣の中で、一瞬何かが膨張し、爆発した。

灼熱が亜美の胎内にほとばしって、亜美を頂点に押し上げた。精液をおもわせる白い液が、亜美の犯されている膣からあふれ出た。

「ァ・・あぁ・・・周平・・・さん」

どう、と亜美の尻が崩れ落ち、ピクピクと痙攣した。触手に絶頂に誘われ、目を閉じて官能の余韻にひたる、幼く美しい妹に、隆志は嘆いた。

「初めてじゃ、ないのか・・・?」

少しだけ見た、中肉中背、特に特徴もない、強いて言うなら人の良さげな大学生。亜美の家庭教師。

「あいつ、亜美を・・・?」

イソギンチャクが亜美の胎内から放出した後の触手を取り出し、口元に持っていった。亜美はそれを手で添え、口で含んだ。

自分の蜜と、白い汚濁液にまみれたそれを、膝を付いて愛しそうにしゃぶる。そして、びくんと背中を突っ張らせた。

「や、やぁん・・・周平さん、舐めないで、恥ずかしい・・・また・・・」

よがり泣きながら、愛しい男の、汚れた肉棒を舐め、しゃぶった。自分を愛してくれたものに、心を込めた。

イソギンチャクは、亜美の秘所に下から張り付き、再び舐めまわし始めた。乳房や菊門も同様、化け物と美少女の、グロデスクな合い舐めだ。

亜美の体が突っ張る。触手をほおばる口を、快楽に耐え切れず離し、喘ぎ、また含む。

亜美は含んだまま、たまらなくなり、尻を振った。すると、それに答えるかのように触手が膣に侵入し、掻き混ぜた。

「あぁん、なんで・・・?」

周平の肉棒をしゃぶりながら、周平の肉棒が膣一杯に蠢き、攪拌し、擦りあげられている疑問が浮かんだが、一瞬のことだ。また喜悦の渦に巻き込まれ、揉まれてしまう。

「?!」

口の中で、膨張し、熱くなっていた肉棒が爆発した。亜美はむせながらそれを飲んだ。

周平の精液なら、構わなかった。最後まで放出し終えた触手に、亜美は滑らかな頬を摺り寄せた。口の中で、達してくれたことがうれしい。膣の中も熱い。焼け付き、とうに蕩けている。周平がまた気持ちよく放出し、精をたっぷり中に注いでくれる。

「あ、周平さん、すごい、また・・・ああ」

一度放出した触手が亜美から離れ、次のものが新たに亜美を貫く。時に単数で、そして複数で、一気に亜美を犯し、よがらせ、体をひっくり返したり、脚を更に押し広げ、体位をあれこれ変える。時に浅く、深く、強く、やさしく亜美を攪拌し、弄り抜いた。

「・・・亜美」

立て続けの凌辱と絶頂に、ついに意識が混濁した妹の裸身に、隆志は近づいて、膝をついた。押し広げられた脚と脚の間に、触手が突き刺さり、動いている。触手の動きが止まり、ブルッと震えた。量が多すぎて、白い液が膣からあふれる。亜美の体が幾度目かの痙攣を起こした。

「・・・亜美」

隆志の手が、亜美の汗に濡れた額を撫でた。

猫が逃げられない鼠を嬲り殺し、食べてしまう。亜美はその鼠だ。清潔で整った顔が、度重なる凌辱と狂気に痛々しく蕩け、幼い花の蕾の体は、やがて淫猥に染まっていく。淫蕩な、幼い美しい実の妹の姿は、禁忌を伴う加虐心をそそった。

その、凄惨な美を眺め、楽しんでいる内、美しい妹を、隆志は差し出すのが惜しくなった。母には憎しみ、妹には無関心だったが、気が付くと周りの誰よりも綺麗に成長し、そして自分の知らない間に、心と、肉体を知らない誰かに捧げている。そんな美しい血族に、執着が沸いた。

「こいつは、生かしといても、いいか?」

ようやく妹から離れた「神」に隆志は聞いた。

「あの女、少しずつ食ったら結構保つだろ。それに、こいつ生かしておいたら、役に立つよ、子供生めるから」

「神」は静かだ。

隆志はそれを承認ととらえた。風呂場に降り、バケツ一杯の水を汲むと引き返し、亜美の裸身にぶちまけた。

霧がかった頭と体に、冷たい水が勢いよくぶちまけられたせいで、亜美は息を吹き返した。

が、意識だけで、体は痺れが残っている。すぐには動けない。

「気が付いた?」

隆志は服を脱ぎながら言った。

「・・・・・・」

「お前、やっぱり屠殺やめた。ここで一緒に暮らそうぜ、お前の代わりに別の食い物、神に供えればいい」

「・・・お、にい、ちゃん・・・」

「俺と、子供作って、それ食べてもらえばいい。そうしたら食い物も、お前も、一気に解決だ。うるせぇ女もいなくなるし、お前も満足だろ」

最後の一枚を脱ぎ捨て、のしかかってくる実の兄に、近親相姦の激しい禁忌感が、亜美の意識を覚醒させた。

「おにいちゃんっやめてぇっ」

弱々しくも、懸命に抵抗する妹に、隆志は手を焼いたが、「神」が亜美の手首に巻きつき、抵抗を奪った。ありがと、と隆志は言った。

「お前、子供作らないと食われるんだぞ」

隆志は妹の乳房を掴み、触手がしていたように捏ね、秘所に指を差し入れた。

「まだ、ぐにゃぐにゃしてるな、と、入れるの、ここか」

「やめてぇっ、やめてったらぁっ」

妹の泣き声を、気にせずにそそり立った肉棒を、亜美の膣にあてがい、一気に貫いた。

「いやぁーっ」

隆志は顔を上気させ、妹の脚を抱えて腰を振った。初めての女の膣だ。セックスがどんなことをするかは知ってたが、こんなに柔らかくて湿っていて、気持ちいいとは。

「いやぁ・・・やめて・・・」

実の兄の、禁断の肉棒の感触が、あまりの背徳感に戦慄した亜美の力を奪った。狂ったように、隆志はピストン運動を妹に施した。

「う・・いい・・・」

「やめて・・・やめて・・・」

「何が、やめてだ・・・すごく、いやらしかったくせに・・・家庭教師にヤられて、気持ちよかったのか?」

「・・・・・・」

なんで、と亜美は擦れた声を出した。隆志は眉間にしわを寄せ、温かい妹の膣を擦りたてながら呻き混じりに言う。

「神にたくさん、突っ込まれながら、周平さぁんて何度もイったろ。アレしゃぶってたの、憶えてないか。尻も振って、何度も・・・」

「・・・・・・」

亜美の表情が白くなった。思い出したらしい。

隆志は肉棒が熱く、大きく、限界にまで膨張していくのを感じる。

「あ、出る・・・」

こらえきれない。ドクッと脈打つと同時に、堰切って精があふれ出す。ピーンと快楽が背中に走った。

「いやぁぁーっ」

亜美の絶叫が家中に響いた。

・・・いや、いや・・・いや・・・・

体の中を突き破って荒れ狂う戦慄と恐怖と、嫌悪感だった。夢の中で、陶然と膣に受けた、口に受けた精は、周平のではなく・・・。

「ふぅ・・・すげぇ」

隆志はのろのろと肉棒を引き抜いた。

「出来るかなぁ、子供、でなくて、お供え。食い物。でも、さっき亜美、たくさん神に中出しされてたから、神の子供、出来るんじゃないか?じゃ、食わせたらまずいかなぁ」

「・・・・・・」

亜美は隆志から体を隠すように、横になって丸まり、吐き気と寒気に震えた。

あそこに鎮座している、化け物の精液、兄の精液が、自分の中で混ざり合い、どうなっていくのか。

気が狂う。

やめてやめてやめて・・・・・何度も叫ぶ、が、声は出ない。

ま、いいかと隆志は再び、妹にのしかかった。

「気持ちいいには、変わりないもんな」

「いや、いや・・・」

「もう、何度も犯られたんだ、同じだろ、あんなに気持ちよがっていた奴が、何を今更」

また、肉棒は力を取り戻しつつある。亜美の幼い乳房を揉みながら、隆志は肉棒を膣に押し当て、突き入れ、柔らかな襞の中に包まれ、呻いた・・・。










 あーあ、と周平は大学の門をくぐりぬけ、肩を叩いた。

「いたいけな美少女の幼く、純粋な恋心を、残酷に踏みにじった酷い男」という立場と看板を、ついに確立してしまった。亜美ファンの野郎共ばかりか、女の子にまで、「乙女心の破壊者」と、糾弾される始末。人の気も知らないくせ、無責任な野次馬が何ほざく。

しかし、事情を知られたら、大学に周平を狙う暗殺者達が暗躍し、未成年淫行及び、暴行で通報される。どちらにしろ、大学生活破綻。

「・・・いい子だから、尚更いかん」

あんなことやっといて、「恋とは、違う」と相手を突っぱねるのだから、残酷だ。

しかし、錯覚した恋心と知っていて、恋人として、亜美を受け入れて、しかも関係をするのは、割り切れない。

「美人だし、可愛いし、健気でしかも・・」

「しかも、何だね?」

「・・・野川か」

「金銭一直線のお前よりは、女たらしの俺のほうが、いいアドバイスを授けることが出来る。さ、言ってごらん、迷える商売人」

突如現れた友に、とりあえず聞いてみる。

「最近、大分やほかの奴ら、やけに冷淡なんだけど、俺、皆に嫌われてる?」

「美少女に愛される男は、男からは愛されん」

堂々たる答えだった。





 自分の食料を作るための行為であるからか、「神」が近親相姦に加担した。亜美の鎖骨、乳房の下を触手が腕ごと回り、縛り上げた。

先端が再び体中を這い回り、媚薬効果のある粘液を塗りたくり、撫で上げた。亜美の意識がまた暗い官能の淵に押しやられる。

「いやっ、やめてぇ・・・あ、あぁんっ」

テクニックも何もない、隆志の挿入だが、それを補うように、触手が蠢いた。ひたすらピストン運動する隆志と亜美の間に入り、亜美の花芯をこすり、花びらを撫でる。菊門に、粘液とあふれる亜美の蜜をまぶし、触手が柔らかく揉み、さすり、こじ入ろうとする。

「はぁ、はぁ・・あ・・・やだぁ・・・」

亜美はすすり泣いた。

「亜美、すげぇよ、お前のアソコ・・・熱くて、柔らかくって、締め付けて・・・」

「いや・・・言わないで・・・お兄ちゃん」

「家庭教師のも、こんな風に咥えたのか?」

肉棒が破裂しそうに、むず痒く、熱く、溶けそうだ。妹を犯しているというタブー感を超え、加虐感と共に放出する一瞬ときたら、正に性の至福だ。

「・・・う・・・」

「あうっ」

亜美が触手に花芯を擦られ、膣を震わせて仰け反るのと、隆志の爆発が同時だった。

兄妹は、共に昇りつめた。妹の熱い膣内で、熱い兄の肉棒が脈打ち、精液の奔流をほとばしられた。どくどくと膣内を満たし、あふれさせる。

亜美は、涙を流し、震えながら兄の精子が胎内に広がる恐怖と戦慄に、身を浸した。

(お兄ちゃんの子供を作って、その赤ちゃんを、化け物に・・・そのために、セックスして、なのに・・・感じて・・・)

「・・・・・・」

射精し、脱力した隆志の下で、亜美はぼんやりと、気を失っている母を見た。

「お母さん・・・起きて、助けて・・・」

力なく、言った。そのとき、伸江が呻いた。

「おかあさんっ」

伸江の目が、どんよりと開いた。娘の声に反応し、亜美の方を見る。そして、隆志。

水浸しの二階の廊下で、娘の亜美が、全裸で横たわっている。その上に、息子の隆志がのしかかっていた。生臭い空気、散乱した衣類、そして、化け物。

伸江は絶叫した。気を失っている自分の横で、我が子が何を行っていたのか、一目瞭然に悟り、そして、気を失う直前の記憶がほとばしった。

隆志の部屋、クロデスクな生き物が触手をのばし、首を締め上げる。笑顔の隆志、

「なかなか、死なないものだなぁ」

笑顔の下の、積み重なった、腐った殺意。

声にならない悲鳴をあげる母に、隆志は気が付いた。亜美の乳房から、のそっと顔を上げた。立て続けの射精で、疲れた。

「おかあさんっ助けて、お願いぃ・・」

兄に犯されたばかりの娘の叫びは、伸江の戦慄をさらに撫で上げた。自分を殺そうとした息子と、目が合う。声にならない叫びを上げ、伸江は立ち上がり・・・そして・・・。

逃げた。

亜美は、絶望した。

・・・見捨てられた。

いくら毛嫌いしていても、母親だと思っていた。子供の本能として、「親子の情」を信じていた。どこかで、期待していた。

誰もいない。

母もいない、父もいない、兄は無論。

周平も、いない。

意識の外で、兄の声が響く。あ、逃げちまった、まぁいいか、どうせ帰ってくるさ。

あいつ、ここしか行くトコないじゃん。

逃げ出す力、生きる気力を無くした、亡失状態の妹の、虚ろな体を兄はまた、撫で擦る。

再び肉棒が蘇る。隆志は亜美の脚を押し開く。

亜美の虚ろな瞳は、暗い未来を見ている。

性臭と、粘液に、精液にまみれる自分、自分を犯し、妹との子を取り上げて化け物に捧げる兄、転がる血まみれの胎児、それを貪る化け物。

地獄に、いっそ堕ちたかった。










 例え、台風が来ても、洪水が起きても、多少の熱があっても、金をもらう以上は契約を果たす。生徒と気まずいくらいが何ぼのものであろう。

ささやかなプロ根性を持つ男、周平は小野家へ稼ぎに出た。人通りのない、静かな住宅地に入り、小野家の屋根が、そろそろ見える所まで差し掛かった時、よろめきながら女性が走ってくる。恐怖で顔は引き歪み、裸足で、ふらついていた。只事じゃない。周平は駆け寄った。そしてまた驚いた。亜美の母親の、伸江だった。

「どうしました?」

強盗、という文字が頭にちらついた。亜美の顔が反射的に浮かんだ。

伸江は咽喉を喘がせた。いつもの澄ました御婦人のイメージはない。失語症に陥っている。

「家、ですか?家ですね?」

震えながら、泣きながら頷いた。周平は伸江を通りがかった主婦に託し、小野家へと全力疾走した。

門も、玄関も開いていた。土足のまま飛び込むと、生臭い匂いがわずかに鼻腔に入る。

二階に人の気配。周平は階段を駆け上がり、そして、棒立ちになった。

見覚えのある、亜美にどこか面差しの似た兄が、恍惚として少女の脚を抱えて腰を振っている。足元には、見たこともない軟体動物が、触手をもたげ、兄と少女の間を蠢いている。

そして、犯されているのは・・・。

「あみぃっ」

どんよりと濁った眼が、周平と合い、わずかに光が戻った。

周平の体中の体液が凍結し、沸騰した。

容赦のない回し蹴りを、隆志に喰らわせていた。隆志の体がふっとんで、壁に激突した。肉棒から精液を滲ませながら、隆志は息を詰まらせた。

亜美の体の上の、軟体動物を引き剥がし、叩きつけた。亜美を抱き起こした。しかし、亜美は何も見ていない。助かったことさえ、理解しているかどうか。

「・・・蓄、生・・・」

周平は殺意をこめて、隆志を見た。隆志は萎びた肉棒を隠そうともせず、壁を伝い、後退した。

「てめぇ・・・妹を・・・亜美に・・・」

周平の腕が、隆志の首に伸びた。捻じ切るつもりだった。その時、亜美の絶叫が響いた。

周平は亜美に振り返った。

イソギンチャクの化け物が、亜美にのしかかっていた。本体の中央部、口腔らしいところが、ぱっくりと開き、亜美の小さな顔を呑み込もうとしている。周平は隆志をほっぽり出して、亜美の体からイソギンチャクを引き剥がした。イソギンチャクは、周平の左腕に巻きついた。周平の眼前で、ぱっくりと開いた口腔が迫った。

周平は、渾身の力を込めて拳を口腔内に叩きつけた。瓦を重ねて割る、有段者の拳はイソギンチャクの本体を突き抜けた。

イソギンチャクが、動かなくなった。周平はそれを左腕から引き剥がし、隆志に投げつけた。イソギンチャクは、隆志の足元に落下した。

「亜美・・・」

着ているシャツを脱ぎ、亜美の上半身を包んだ。頬を両手で挟み、呼びかけた。

「亜美、亜美・・・亜美」

反応は、ない。虚ろな瞳は、何も映していない。弁当を差し出す、恥ずかしそうで、真っ直ぐ自分を見つめる亜美の瞳は、もうない。

後ろで、人のものとは思えない、猛獣じみた悲鳴が轟いた。思わず、周平は隆志に振り向き、絶句した。

隆志の太腿に、動かなくなったはずのイソギンチャクが巻きついていた。そして、腿の肉を喰いちぎり、咀嚼している。触手達はあふれ流れる赤い血を、舐めまわし、蠢いている。周平は亜美を抱きしめて立ち上がり、後退した。

階下から、大勢の人の声と、足音が聞こえてきた。










 亜美、隆志、伸江は病院に一旦収容された。亜美は処置を受けた後、真っ白い箱の中のような病室で眠っている。

亜美が、擦れた呻き声をたてた。

あの時から、ずっと眠っている。亜美の心は、最初の虚脱の狂気から、悪夢の記憶を彷徨い始めた。何度も叫んだ。

やめて、お願い、助けて、いやだ、この単語を口走らない日はない。

傍らには、周平だけがついている。伸江はショックが激しく、傷付いた娘についてやれる状態でなく、父親は仕方なしにそんな妻の元にいる。兄貴は論外だ。

助けを求める単語以外に、亜美が必ず口走るのは、周平の名だった。

「・・・・・・」

亜美の口元が、また開いた。声は聞き取れないが、動きで分る。周平さん、だ。

「・・・畜生」

周平は嘆いた。畜生。

恋だとか、錯覚だとか言う前に、亜美には、すがることの出来る人間が誰もいない。助けを求めて叫ぶ相手は、父でもなく、母でもない、ましてや兄でもない、友でもない。周平だけだった。自分を好きだと言った亜美に、そんなの寂しいだけだと、すがりたいだけだと言い放って、亜美を突き放した事が、自己嫌悪を誘う。鏡に映った自分を引っ張り出して、首を絞めてやりたいほどだ。

ついでに兄貴に対しては、イソギンチャクの化け物を足元でなく、頭上に投げれば良かったと後悔している。脚の肉を大きく喰われ、今精神がおかしくなって隔離されているが、一生出てこないで欲しい。あのイソギンチャクの化け物は、混乱に紛れて消えた。あれが何だったのか、なんの生物なのかは未だ謎。

表向きは、名門校に通う真面目な高校生が、成績の伸び悩みと、友達の死にショックを受けて、錯乱し、母親を殺そうとし、妹に暴行を加えた、という筋書きだ。近親相姦については流石に緘口令がしかれた。

また、亜美の口が動いた。周平の名を呼んだ。周平は心の中で話しかけた。

(亜美には俺しかいないなら、恋心であろうと、何だろうと、何だっていい、傍にいてやる。いつか寂しくなくなって、誰にもすがらずにいられるようになる、俺が必要なくなるその日まで)

亜美が眠りながら泣いている。周平はその伝い落ちる涙を指で拭った。





 どうしても抜けられないバイトの日があった。亜美の目が覚めた瞬間に、出来ることなら傍にいてやりたかったが、生活の散文的事情と言うものは厄介だ。かといって、排除したら社会的生活が成り立たない。

少し、薄暗くなった頃、急ぎ足で周平は病院に到着した。病室に亜美の姿はなく、看護士が探していた。いつの間にか、消えていた、らしい。いつ目覚めたのかも、分らない。

周平は病院の屋上に上がった。院内は看護士達が探してくる。屋上に上がって、下を見下ろせば、病院の敷地が一望できる。

エレベーターを待つのももどかしいので、階段を駆け上がり、ドアを開く。薄闇の広い空間が現れた。屋上の向こう端に、網目の細かいフェンス柵に寄りかかった先客がいる。

薄闇に消え入りそうに華奢で、頼りないシルエット。

「・・・亜美」

息を切らせ、周平は呼んだ。

「亜美」

夕刻の風に、髪をそよがせ、亜美はフェンス越しの空間を見ている。

好きな周平の声が聞こえないはずはない。

それでも、今の亜美には柵の外以外、頭にないらしい。

「風邪引く、部屋に戻ろう」

「・・・病院の、フェンス、高いね」

亜美の茫洋とした声に、周平の肩が緊張した。

「怖い夢、ばっかり見る。もう、眠りたくない。でも、生きてたら、絶対寝るのよね」

死ねば、夢から逃れられるのか。

しかし、「死」は永遠の眠りともいう。だとしたら、永遠の「夢」ではないのか。

生きる気力はない、死ぬ勇気さえ、ない。

あの時、化け物を周平に錯覚した、鳥肌の立つ性交に、好きな周平の姿すら、悪夢の中に取り込まれた。

「よいしょ」

フェンスに手をかけ、器用に周平は柵によじ登った。亜美は目を丸くした。ぼうっと立っている間に、周平は柵を乗り越え、下に降りた。柵越しに亜美に向かって立つ。三〇センチ後ろは、何もない。

「周平さん・・・危ない、戻って・・・」

「死にたくなったら、何時でも言え、先に行って、待っとく」

「・・・・・・」

「亜美を一人にはしない、その代わり、俺を一人にするな。いいな、ところでどうする?先に行っておこうか?」

「やだ・・・」

亜美の声が震えた。茫洋としていた瞳に、涙が流れるだけの力が戻った。フェンスにしがみつき、周平へ力一杯訴えた。

「やだ、戻って・・・周平、さん・・・せんせ・・・」

亜美が見つかったことを、ナースステーションに連絡して、屋上の片隅に亜美と腰を下ろした。もう、夜だった。

「無料のプラネタリウム」

本物の星空を見て、人工のプラネタリウムになぞるのも、何だかおかしいが。

「周平さんだって、思ってた」

ぼんやりと、亜美はつぶやいた。周平が目を投じた亜美の首筋に、赤い痕がある。あの、小野家の二階で目にした凄惨な場面が蘇る。

気が狂いかけていた、虚脱していた亜美。

狂気の中でさえ、自分にすがりつく亜美に、やりきれなさと愛しさが沸く。

「じゃあ、この痣、俺が付けたんだな」

亜美をひきよせ、首筋に唇を付けた。

「ごめんな、痛かったか?」

亜美がしがみつく。只でさえ華奢なのに、あんなことがあったせいで、さらに頼りない体になっている。壊れないように、力を込めて周平は亜美を抱きしめた。

・・・長いキスの後、亜美が体を周平に押し付けた。ちょっと、周平は躊躇した。

「あのさ、もう少し、温かい場所で、下が柔らかい所のほうがいいぞ。背中が痛いだろ」

「・・・いやだ」

「・・・・・・」

ま、いいか。周平は上着を脱いだ。上半身裸で、再び、キスをする。病院の寝巻きの浴衣の合わせ目から、そうっと手を滑り込ませた。亜美の体を膝の上に乗せた。

浴衣の前をはだけられ、乳房を吸われて亜美が呻いた。震えている。

「いやになったら、言えよ。止めるから」

背中を支えながら、乳首を舌で転がし、浴衣の裾から下着に手を入れた。指を性器にあてがい、湿り気を確かめる。亜美の両の腕が、周平の頭をかき抱いた。

周平さんの、指だ。

乳房を吸われ、キスを受けながら亜美は喘いだ。乳首はやさしく、舌で転がされる。

秘所がゆっくり潤い始めるのを、指が確かめ、探り、こすった。蜜が流れ出した。下着を取った。浴衣の下は、全裸だ。

「えらく、感じやすくなったなぁ」

「・・・周平さんの、膝、汚しちゃう・・」

亜美が上気した顔で心配した。

「降ろして・・・いいから」

亜美の肩に掛けていた自分の上着を、コンクリートの下に敷く。無いよりはいい。

亜美を寝かせ、脚を押し開いた。

化け物と、兄に凌辱されたことを感じさせない位、可憐な色と形だ。闇の中、わずかな屋上の明かりが、亜美の白い体と秘所を、夢幻的に浮かび上がらせている。

傷を癒すように、やさしく舌を這わせ、花芯を突いて転がした。亜美の体が揺れた。

「あぁ・・・あぁん、ああ・・」

花びらを指で弄びながら、花芯を指で掃き撫でながら膣の入り口を舐めまわすと、亜美の体は震えが止まらなくなった。亜美が懇願した。

「周平さん、先生、お願い、せんせいの・・・こっちに、持ってきて」

「持って来い、とは?」

「先生がしてくれているみたいに、あの、私、先生を・・・」

上気し、思いつめた顔の美少女のそんな願いを、誰が断れる。

上下入れ替えて、お互いの性器を口で愛撫しあう。亜美は周平の顔の上にまたがり、秘所を舐められ、蜜をまぶされながら、ジッパーから出た肉棒を口に含んだ。くぐもった呻きを漏らしながら、拙く舌を動かした。

亜美の温かく、拙い動きの舌を心地よく感じながら、亜美の浴衣の裾を腰までまくり、周平は秘所に舌を与え続けた。

小さく、滑らかな尻を撫で回し、割れ目をくすぐり、菊門を揉んだ。エラに、サオにまとわりつく舌がその度にピクンッと止まり、くぐもった呻き声がして、また慌てて舌が肉棒をしゃぶりだす。可愛い。

隆志や、化け物に嬲られた事なんか、忘れさせてやる。また、ここを俺のモノにしてやる。

「亜美、もういいよ」

亜美へ、話しかけた。

「こっち向きな、入れる」

正常位で亜美を貫いた。上着を敷いているといえど、硬いコンクリートの上に亜美を押し付けるのは忍びないので、抱えあげて膝の上に乗せた。さっきまで相手の肉棒をしゃぶっていた恥ずかしさで、顔を伏せようとするが、許さずに唇を奪った。

柔らかく締め上げてくる襞の動きに呻きつつ、周平は亜美の体を揺さぶり、突き上げ、嬲った。この柔らかな襞と、熱い膣壁を、自分以外のものが蹂躙したと思うと、怒りと加虐心が吹き荒れる。きつく抱きしめ、より一層亜美の膣を肉棒で撹拌した。硬い、灼熱のモノが周平の乱暴な動きにあわせ、亜美の胎内で暴れ狂う。その激しさに、亜美が泣き声を上げた。周平は我にかえった。

「わ、悪い、痛かったか?」

「だ、だい、じょうぶ・・・」

周平に抱かれたまま、亜美が吐息をついた。

「いい、滅茶苦茶に、して・・・」

「・・・・・・」

「周平さんに、壊されるなら、いい・・・」

涙が出る。いっそのこと、壊して欲しい。

化け物に、実の兄に犯され、何度も喘ぎ、感じた体がおぞましい。何度も精を注ぎ込まれ、舐めまわされ、汚された体を、記憶ごと。

「いやだね」

周平が、また亜美を下に組み敷いた。

「壊さんよ、こんな可愛い子」

肉棒を膣に押し付け、花芯を巻き込むようにグリグリ押し込んだ。亜美が体をよじった。

可愛く屹立した乳首を舐め、転がしながら、乳房を揉みたてる。亜美が喘ぎ、腰をくねらせた。結合部が熱く、水っぽい音がする。

「せんせ・・・周平、さん・・・」

頭の中は霞がかっているが、体は熱い。コンクリートの冷たさが感じられなくなった。

「亜美・・・」

周平も呻いた。独占欲、破壊心、加虐心、愛しさ、全てがない交ぜになり、亜美を責めた。

自分で亜美の中を満たしたかった。

そろそろ、亜美が限界だ。肉棒を取り巻く襞が何度も痙攣し、締め上げ、蜜をあふれだしている。肉棒もはちきれそうだ。

「周平、さぁん・・・あっああっあぁ・・」

恥毛も薄く、可憐な性器にグロデスクな自分の肉棒が深く突き立てられ、蜜をあふれさせている光景は、亜美の体が幼く、華奢なだけに痛々しく、淫猥な眺めだ。清楚な美少女が、羞恥と官能に責めたてられて喘ぐ表情、自分の名を切なげに呼ぶ声は、射精感を加速させる。肉棒の出入りが激しくなった。

「亜美、すげ・・・その顔と声だけで、俺、イキそう」

「いや・・・いじめちゃ、いやだ・・・」

ビクリ、と亜美が仰け反った。

亜美の悲しげな悲鳴と共に、膣壁が肉棒の精液を押し出すように圧迫し、震えた。

くぅと呻いて、周平は背中を引き攣らせた。

多量の熱い精液を、長い時間をかけて亜美のひくつく膣に注ぎ込んだ。

痙攣する小さな体を抱きしめ、周平は大きくため息をついた。

上と下の体を入れ替え、亜美を体の上に乗せ、ぼんやりと夜空を眺めた。

「亜美・・・おい、寒くないか?」

かすかに頭が横に動いた。

ややもすると、亜美の頭が周平の胸から下に下りた。わ、と周平はつぶやいた。放出したばかりの肉棒に、亜美の舌が感じられた。

「あ、亜美、こら、もういいって、無理するな・・・あ、そこ・・・じゃなくて・・・」

・・・やっぱり、そのまま続けてもらう。

仰向けになって、星見ながら、放出した肉棒舐めてもらって回復させてもらうのも、なかなか乙なものか。

「亜美、おいで」

そのままの体勢で、亜美を引き寄せた。手で尻を支えながら、亜美の膣を下から探り、硬度の戻った肉棒の上に座らせた。

素肌に、大きくはだけた浴衣一枚身につけ、周平の上で亜美は喘いだ。乳房を掴んで下から突き上げると、さらに喘ぎが激しくなった。

「あ、また、おかしくなる・・・」

「早いな」

体を起こし、抱きしめて手を尻の下に回し、すっかり敏感になった秘所を弄ぶとあっさり亜美は、昇天した。

弛緩した、柔らかな体を抱きしめながら、周平は耳元で囁いた。

「次は、俺の番だ」

何度も肉棒にかき回されたそこは、トロトロとしている。まだ熱いぬかるみの中を、周平はまた肉棒で掻き混ぜた。びっちりと隙間無く、周平を咥えこんで離さない。心地いい。

処女を奪った時から、明らかに亜美の体は周平の肉棒にあわせて淫猥に変化した。

「あ、あぁ・・ん、ああう・・・」

力なく、亜美はよがるが、肉棒を咥えこむ所は熱く、また締め付け始める。

また、肉棒が膨れ上がっていき、亜美の膣壁を押し戻し始めた。周平は呻いた。何度放出しても、注いでも亜美に飽きそうに無い。

「周平さん・・・変に、なる・・・」

亜美が息も絶え絶えに訴えた。

「ヤダ・・・恥ずかしい・・・」

「変じゃない、イクって言うんだよ、亜美」

揺すりたて、亜美の秘所を撫で上げながら耳元で囁いた。

「も、イキそうか?」

こっくりと亜美は頷き、また悶えた。

「沢山出してやる。俺で一杯になりな」

「・・・あぁ、ん、周平、さん・・・」

亜美は幸福感と、官能に身を浸しながら自ら腰を動かした。周平の膨張し、熱いものが胎内でうねった。周平の指が、膨らみきった花芯を指で転がし、同時に菊門に浅く侵入した。

亜美の背中が弓なりに反り返った。

「い、いやぁ・・・イク・・・だめ・・・」

体が空に浮き、凄まじい快楽が秘所から全身に突っ走り、頭の中が白くなった。

周平はついに、こらえきれなくなった。

亜美を抱きしめ、一滴も漏らさせまいと膣に肉棒を深く埋め込んだ。痙攣する膣の中、白い花が咲いた。脈打った肉棒が、亜美の中に、精を注ぎ、亜美を弄んだ他の肉棒の残影を押し流す手ごたえと、溜まった精を、好きな女の胎内に、思う様放出する快美感に、周平は満足の呻き声を漏らした。



 亜美を抱いたまま、周平は壁にもたれ、天を仰いだ。星達が散らばり、煌いている。

「・・・亜美」

小声で囁いた。静かな呼吸音が、静かな夜気にのって周平の耳に入ってきた。

眠ってしまったらしい。覗き込んだ寝顔は、穏やかで、あどけなかった。

ま、いいか。

周平はまた、天の星々を仰ぎ見た。

少し、こうしていよう。好きな女を腕に抱いて、星を見ているのも、乙なものだ。

せっかく亜美に、安息の眠りの神様が寄り添ってくれたことだし。

「寝ている本人が、眠りの天使だよな」

亜美の寝顔に、周平は微笑んだ。

 

 

【 完・・・ 】

 

 

 

 

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《注意》

この物語はすべてフィクションであり、登場する如何なる人物、団体、国家、人種、地名及び地域等、すべてが架空のものです。また、男性にとって有利とも受け取れる女性の心情に関する心理描写、及び身体機能の記述は、すべてが事実と異なる誤ったものです。

 

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