最終章 吉良次の溜息と藍姫の悶絶

 

 

 前田利家の家臣「後藤吉良次」は、ようやく「樋ノ瀬郷」という集落の名を耳にしていた。

吉良次が「藍姫」の探索を開始してから実に十三年。ようやく発見されたのが、たった一つの手掛かりとなる「家紋の刺繍が入った絹布」だった。里の女らしい者が、その布で赤ん坊を包んで人買いに売り付けたとのことらしいが、さっぱり女の素性が判らず、吉良次は苦労し続けていた。人買いからの話によれば、今から半年以上も前、女は二十五里以上も歩いて街道筋のとある集落に辿り着いたらしい。たったそれだけが女の唯一の手掛かりだったのだ。

しかし、村々での聞き込みで、ようやく明らかになったことがあった。風貌からして同一人物と見られる赤ん坊を抱いた里の女らしき者が、同じ頃、あちこちに現れては赤ん坊の里親を探し回っていた事実を突き止めたのだ。

聡明な吉良次は領国の絵図を広げ、村々にその女が現れた日を特定し、最初に女が現れたらしい村を突き止めた。しかし、その村の女ではなく、しかもそこで完全に女の足取りが途絶えてしまったのだ。そこで今度は、その村に近在する集落まで片っ端から調べた。すると、更にそれ以前に赤ん坊を抱いた女が現れていた集落が幾つも見付かり、その中で山奥に暮らす樵の女房が、たまに赤子を抱いては里親探しに来ていると証言する集落があった。それが「樋ノ瀬郷」という集落だったのだ。しかも、その樵の家族の中に、どうやら藍姫とも年端の似た、色の白い娘がいるらしいという。

手の空いた部下を総動員して、ようやくそこまで調べさせた吉良次は、女の人相や特徴がほとんど一致していることもあって、みずからその集落に出向くことにした。山深い奥地で暮らしているらしい樵の女房などが、どういった経緯で例の家紋付きの絹布を手に入れることが出来たのか、吉良次は直感めいたものに突き動かされずにはいられなかったのである。それに何しろ、朝倉家当主「朝倉義景」の忘れ形見ともなれば、主君前田利家の家臣として、かつて義景と拝謁したことのある吉良次自身でしか、その判断は難しいと考えたのだ。確かに、今も無事に生きて育っていればの話であるが・・・・。

確かにそこは街道筋からも遠く離れた山の麓の小さな集落だった。丸十三年もの間、領国に無数に点在する集落を隈なく巡り歩いた自負のあった吉良次とて、さすがにその集落には初めて足を踏み入れたのだった。

こうして、遂に「運命のその日」は訪れたのである・・・・。

 

 

 山の天候は変わり易い。

三人の息子たちを連れて木を伐りに出掛けた茂作だったが、思い掛けぬ本降りの雨にたたられ、仕方なく息子たちと小屋へと引き返した。

茂作はしばらく横になろうと、三男の末吉に命じて、座敷に寝間を整えさせた。そして、壁隅に腰を下ろして佇んでいたお雪を呼び、そのまま寝間の上に寝かせ付けた。

更に大きく膨らんだお雪の腹部を撫でながら、有無も言わさずに彼女の帯を紐解き、内着をめくるように開いていった。

「もうすぐだなぁ、お雪ぃ」

淫靡な笑みを浮かべながらそう言って、茂作の手のひらがお雪の膨らんだお腹の上を這いまわる。

「・・・・うん」

茂作にされるがまま、お雪は茂作にそう答えた。

幼い頃から、イネが子を産む現場を何度も見ていたお雪にすれば、「女」として「赤子」を産むのは当たり前だった。肉体の大きな変化に戸惑いつつも、「その日」が確実に近付いていることも理解していた。が、初産を十三歳で迎えることが、果たして早過ぎるのか、それとも普通のことなのか、お雪は比べるべきものを何も持たない。「妊娠したから産む」。ただそれだけのことなのである。

「ウヘヘヘッ、お雪ぃ〜」

お雪の膨らんだ白い腹部を撫で回しながら、茂作はたいそう御満悦だ。やはりどこかの高貴な姫様だったのかも知れない、と、こうしてお雪が成長すればするほどに茂作は実感を強めていた。本当に色白で骨も細く、髪質も頼りないくらいに細くて、決して里の村娘などではないことを、茂作はお雪のからだを愉しみながらひしひしと実感していたのである。

こうしたお雪の妊娠は茂作にとっては特別のことだった。しがない樵の自分が、身分ある姫様と閨三昧に興じ続けたばかりか、とうとう自分の子種をそのやんごとなき胎(はら)に仕込むことにまで成功したのである。

そんな感慨に耽る茂作だが、撫で回しているお雪の膨らんだ腹の中に、ふと、大きな蠢きを感じ取った。

「おお、わしの子は本当に元気がいいのぉ。お雪の中で動いとる、オオッ、動いとる動いとる! こりゃもうすぐ生まれるのぉ」

そう言う茂作に身を任せたまま、お雪は黙ってコクリと頷くだけだった。そんなお雪の無表情な反応に茂作は、お雪がまだまだ子供であると感じずにはいられなかった。何故なら、こうして自分に子種を仕込んでもらって、ここまで身重になっている上は、お雪も一人前の自分の妾(めかけ)であると茂作は考えていたからだ。妾である以上、主人から子種を授けてもらうことはこの上ない歓びであり、茂作にすれば、お雪がもっと喜んで感謝の気持ちを自分に示しても当然なのである。

だが、茂作はそんな礼を欠いたお雪の態度にも寛大だ。何よりそんな乙女頃にも日の浅い子供の体で、茂作の子を宿すという手柄を立てて見せたのだから多少は甘く見てやることも男の器量なのだ。それに本来であれば、茂作はお雪の前にひれ伏し、顔を見るどころか言葉すら交わすことが許されていない身分だったかも知れないのである。

「フッフッフっ、わしだけの姫さんじゃぁ〜」

「あっ、んっ・・・・」

やがて茂作はお雪の口を吸いつつ、その裸体をまさぐり、その肢体の柔らかさを随所に愉しみ始めた。

しかし、そんな茂作とて実は、お雪の出産も近いことを感じれば感じるほど、残念に思うことが一つあった。それは、十三の身空でお雪にお産をさせることそのものだった。

たった一度でも子を産めば、どうしても女芯の締まりが緩んでしまう。茂作はそのことをイネの体ですっかり経験しているだけに、お雪のそこにも時間が余り無いことを知っていた。いや、既にお雪の体は産み月を迎えて、すっかり初々しさというものを枯らせ、あどけない顔からは下は、まだ小さく薄い身なれども完全に女になっていた。薄桃色だった乳首もすっかり色濃く変色して、豆粒のようだった乳頭も赤子が吸い易いまでに大きくなっていたのだ。又、女芯とて以前より柔らかさが増して、入り口も広がった感を覚える。恥毛のそぞろな生え具合は相変わらずだが、数ヶ月前に比べれば恥骨の隆起も顕著で、一気に乙女頃を開花させたことに喜びを感じる反面、もはや二度と味わえなくなるであろう稚児の名残りが、茂作には今更惜しまれていたのである。

「ほれっ、お雪、ケツを上げろ!」

お雪の肌の柔らかさをひとしきり堪能した茂作は、お雪に四つん這いの姿勢を取るように命じた。お雪はそれに素直に応じ、寝床に手をついてお尻を茂作の方に突き出した。

茂作はお雪の小尻をペタペタと撫で回しつつ、尻の谷間の下に覗く少女の秘芯に怒張の先端を当てがった。そして、一気にズプズプと挿入していく。

「んああっ、あううっ!」

お雪のか細い腰に手を添え、茂作が腰を激しく何度も突き送る。お雪の尻がパンパンと小気味の良い音を立てる。こうして上から見下ろせば、四つん這いに伏しているお雪の後ろ姿は本当に細くて小さく感じられた。安産型の体型をしているイネと比べて、余りにも華奢さが目立つ。今でもお腹の膨らみさえなければ、その薄い胴回りをわし掴みに出来るくらいだった。

「フンフンッ、お雪ッ、フンフンフンフンッ―――」

「あんっ、あっ、あああっ、アウッ!」

だが、今の茂作には、そんなことはどうでも良かった。とにかく今は、お雪の膣の締まりを満喫することこそが重要だった。子を産んでしまってからでは二度と味わえないこの粘膜の狭隘さを、男根でしっかりと味わい尽くすのみだ。子を産めば、もう、子供ではなくなる。幼少時代のお雪の体は、もう二度と味わえないのだ!

「フンッ、フンッ、くおぉっ、フンフンッ―――」

無心で快楽に没頭する茂作。と、その時だ。茂作の陰茎を押し包むお雪の膣粘膜がいきなり蠢いた。

「おおっ!」

何とお雪の子袋(子宮)の中の「耶々子(胎児)」が、茂作の激しい突き込みを嫌がるようにお雪の中で暴れ始めたのである。

これには茂作も堪らない。一気に頂点へと誘(いざな)われてしまった。

「ウホォッ、で、出るゥゥッ!」

(ドグンッ! ドピュッ、ドピュッ、、ドクッ―――)

茂作は射精(出)した。何ら躊躇いも遠慮もなく、思うがままに気持ち良く、快適に、お雪の狭い膣内へと――。 

深い挿入を維持し続けようと、射精しながら思わず手を回したお雪の大きな腹部の膨らみ・・・・。激しい脈動を繰り返しながら茂作は思う。この大きく膨らんだお雪の中に、自分の子が育っているのだと。そう思えば思うほどに、手塩にかけてお雪を育ててきた甲斐があったというものだった。

「ふうぅ〜っ・・・・、気持ち良かったぁ〜」

最後の一滴までお雪の胎奥に出し切り、茂作は惚けた表情でそう口走った。

そして、満足した茂作がお雪の女芯から萎え始めている男根を引き抜いた時、彼は始めてお雪の異常に気付いた。茂作から解放されるや、お雪が苦しそうにお腹を押さえ、転がるようにして寝床に仰向いたからだ。実はお雪に陣痛が訪れていたのである。

既に満面に脂汗が浮かび始めており、苦悶に歪む幼な顔が如実にそのことを物語っていた。

「おっ、お雪、とうとう始まったか!」

年端もいかぬ小娘ゆえに、早産などは当たり前だった。赤子が大きく育つ前に産み落とさないと、お雪のような年端では死んでしまうこともままあるのだ。それに、こうして茂作が執拗に身重のお雪を犯すのにも、茂作にはお雪を産気付かせるという別の目的もあった。そして、茂作は焦るよりも何より、間一髪で行為を済ませていたことにまずは安堵し、急に降り始めた今日の雨につくづく感謝した。こうしてお産前のお雪の体を最後にたっぷりと愉しめたばかりか、お雪が初めて我が子を産み落とす瞬間に最初から立ち会うことが出来たからである。

「ほら、お前ら、早く湯を沸かせ! 末吉、薪をたくさん拾って、火の傍で乾かしとけ! ほれ、イネもさっさと水を汲んで来い!」

茂作はイネや末吉たちにそう命じた。が、とかく初産は長丁場となることを知っているので、茂作自身は実に落ち着いてお雪の様子を見詰めていた。

「うう〜っ・・・・、ううっ、痛いぃっ。ウウッ、ウーッ!」

大きなお腹をその小さな手で懸命に押さえながら、お雪の汗まみれの裸身が寝間の上で悶え続けている。それを間近に眺める茂作は、飽きれたように笑いながら、

「フッフッ、何を言っとる。そんなんじゃ、元気な“やや”を産むことは出来んぞぉ〜」

そう言ってお雪をたしなめた。

男の身ながらも茂作とて充分知り得ている。お雪の陣痛はたった今始まったばかりだ。イネの初産がそうであったように、これから先、陣痛の間隔がどんどん狭まるにつれて、その痛みもどんどん激しくなるのである。が、お雪も妾の身の上なれば、その痛みを乗り越えるのが当然の務めだと茂作は思っている。あれだけ可愛がってやったのだ。たとえ幼かろうとも子を孕んだ以上、産むのは当然なのだ。

「ウウゥ・・・・痛い、ううっ、苦しいょぉ・・・・。おっとおぉ・・・・」

涙を浮かべて、お雪はそう茂作に訴え続けていた。

「そうかそうか、よしよし。やれやれ、いつまでも子供な姫さんじゃなぁ・・・・」

茂作は呆れたようにそう言いながら、お雪の小さな頭を撫でてやった。

いつまでの子供っぽさの抜けきらぬお雪の様子に見入りながら、それでも茂作はお雪の成長を感じずにはいられなかった。

間違い無く茂作には、乳飲み子の時から彼女を育て上げた養い親としての苦労があった。イネが次々に出産する実の子を、三男以降はすべて里子に出してまで、お雪を手元に置いて育て続けた。そして十歳の時にその幼な過ぎる体を開いてやり、十二歳になる頃には、お雪のからだも茂作との交わりですっかり気を遣れるまでになった。それにつれて、胸も膨らみ始め、体のあちこちに丸みを帯び始め、そんな矢先、お雪の体は女の証となる「初めての月の障り(初潮)」を迎えたのである。

「うう〜っ、おっとお・・・・、おっとおぉ、痛いよぉぉ、ウウッ、イギィィッ!」

苦悶の表情で泣き喚くお雪の裸体も、いつしかすっかり汗まみれとなっていた。そんな様子を間近に見ながら、茂作の胸中に喜悦が込み上げてくる。月日の経つのは本当に早いものである。破瓜の痛みに号泣していた、当時はまだ十歳の幼な子が、今や初産の苦しみに悶絶しているのだ。男親として、そして孕ませた男として、その感動もひとしおだった。

「いいぞぉ、頑張れお雪ぃ。わしがちゃんと見といてやるから、元気なややを産んで見せるんだぞぉ」

まさに茂作の表情は苦悶するお雪とは対照的に、にやけたように緩みきっていた。「産みの苦しみ」は当然といった感じだ。何らお雪の苦悶を案じている様子はない。

「ううっ、おっとお、ハアハアハア、おっとぉ・・・・ウウウゥゥーッ!」

それでもお雪は、目の前の茂作にすがるしかなかった。懇願するような眼差しで、懸命に茂作の方へとその小さな手を延ばした。

「よしよし、ほら、お雪、頑張れ」

茂作が手を握ってやると、お雪の苦悶の表情は多少和らいだ。ちょうど陣痛の第一波が途切れたのだ。

遠のいていく下腹部の痛みに、お雪は安堵するも、放心状態が続いていた。

「どうだ、楽になったか?」

お雪は茂作の問い掛けに、コクリと頷くのが精一杯だった。

妊娠の因果を知らぬ十三歳の少女。育ての親である茂作だけが頼りとばかりに、今も彼にその小さな手を握ってもらっていた。骨格も育ちきらぬまま、養父に妊娠を施された少女は、それを施した張本人たる養父を恨むことすら知らずに、過酷な初産の悶絶に直面しているのである。

握っていたお雪の手を離して、茂作は小便に立ち上がった。

陣痛が小康状態を保っている中、お雪は小屋を出て行く茂作の後ろ姿を、心細い気持ちで見続けていたのだった・・・・。

 

 

 「ううっ、ああぁっ! ギッ、イギィィッ! ハアハアハア、おっとぉ、ハアハアハア、おっとぉ、ウウゥゥーッ!」

お雪に最初の陣痛が始まってから既に丸一日が過ぎていた。そして、そろそろ陽も徐々に西に傾き始めていた。

陣痛の間隔が次第に狭まり、お雪の悶絶が更に激しくなってきている。

茂作の息子たちが、お雪の両手を寝床に押さえ付けている。そして肝心の茂作は、お雪の必死の呼び掛けにも耳を貸さず、部屋の隅で昼寝の最中だった。なかなか生まれないので、付き添っているのが次第に面倒になったのである。

が、余りにもお雪の悶絶が騒がしいので、茂作はとうとう寝るのを諦めて起き上がった。

「ったく、お父お父って、ちっとも昔と変わらねえなあ・・・・」

そう文句を垂れながら、寝床に裸のまま押さえ付けられているお雪の傍へと近寄る茂作。

お雪の小さな裸体は、今やすっかり汗まみれだった。その細質な長い髪もすっかり汗を吸い、まるで湯浴びした直後のように全身の肌を発色させている。そんなお雪の様子を見て、激しく股間が疼く茂作だったが、さすがに今は我慢した。

「ううーっ、く、苦しいょぉ、おっとおぉ。ウウゥーッ、ウッ、ウウーッ!」

そんなお雪の訴えにも、茂作はやれやれといった呆れた顔だ。そこへ、お雪の股間を押し開くようにして、その前に居座っているイネの叱責が飛ぶ。

「フンッ、手間ばっかり掛けて! 苦しがってりゃいいってもんじゃないよ! 早いとこさっさと産んじまいな!」

産婆を務めるイネは、お雪をそう詰りつつも、口元に薄笑みを保ったままだ。

(茂作に可愛がられて、何回も気を遣った報いさ。死ぬほど苦しんで、このまま本当に死んでしまえばいいのさ)

お雪はまだ十三歳で、十六歳で初産を経験した当時のイネの体と比べれば、似ても似つかぬまでに小さくて細い骨格だった。女としてイネも、その苦しさが自分の時以上であることは想像に難くなかった。ましてや、丸一日を要しても生まれない程の難産になっている。お雪が苦しむだけ苦しんで、子を産み落とせずにこのまま絶命するのを、イネは楽しみに待っていたのだ。

息むことすらお雪に教えず、ただ単に夫の手前、産婆の務めを演じているに過ぎないイネ。陣痛が楽になる姿勢をお雪に取らせないように、息子たちに命じて彼女の両手を寝床に押さえ付けさせたのもイネの悪意の現れだった。

そんな妻の悪意を少しも懸念することなく、茂作はお雪が我が子を産み落とす瞬間を今か今かと待ち構えていた。

「ほおれ、お雪、早く産んで見せろぉ、ややも外へ出たがってるぞぉ」

そう言いながら茂作が、しとどの汗に塗れているお雪の膨らんだ腹に手のひらを這わせ始めるや、お雪の悶絶が激しさを増した。

「イギィィーッ! ウグゥ、ウウゥゥ、アアァアァアアァァーッ!」

手足を押さえ付けられ、無防備に晒す大きな腹に茂作の手のひらが這う回る。それだけで、お雪に地獄のような痛みが襲っていたのだ。

しかし茂作は、

「おお、そうか痛いか。よしよし、わしも手伝ってやるぞ」

お雪の悶絶が激しくなったのを知るや、茂作は止めることなく彼女の膨らんだ腹を手のひらで撫で回し続けた。とことんお雪を悶絶させて、さっさと破水させてしまおうと考えたのだ。

「イヤアアァァーッ、ああっ、ウグゥウッ! アアァァーッ、キヒィィ、イッ、ヒギィィーッ!」

茂作の手のひらから逃れようと、お雪の汗まみれの小さな裸体が悶えくねろうとする。二人の息子たちとイネが、そんな彼女の悶絶を力ずくで封じ込める。

茂作はますます熱心にお雪の腹を撫で回しながら、彼女の苦悶の表情に魅入っていた。お雪の苦しみ悶える姿を見れば見るほどに、股間が熱くなった。満面に汗を浮かべて悶絶するお雪のその表情に、破瓜の悶絶や、気を遣る時にも通じるものを茂作は感じ取っていたのだ。

「いいぞお雪。ハアハア、色っぽいぞぉ」 

お雪の悶絶も意に介すことなく、大きく膨らんだその腹部を撫で回しつつ悦に耽る茂作。と、その時だ。お雪が一際甲高い絶叫を迸らせ、彼女の女芯から大量の液体が溢れ出てきた。遂にお雪が破水したのである。

ところが――、

「御免!」

いよいよお雪の出産を目前に控えたその時、小屋の入口に一人の男が現れ、そのまま寝間へと上がりこんできたのだ。

突然現れた男に、茂作一家は慌てた。男の身なりからして、身分の高い武士であることに気付くが早いか、破水したお雪を放り出して家族全員で慌てて男の前にひれ伏したのである。 

茂作の家を訪れたのは、後藤吉良次だった。道案内の村人を先導にして、家来を引き連れて山を上り、麓の村からこうしてはるばるやって来たのだ。

そんな吉良次が小屋の前に到着した矢先のことだった。小屋の中から尋常ではない年若い娘の絶叫が漏れ響いてきたのだ。こうして吉良次は家来たちを小屋の外に待機させて、たった一人急いで小屋に乗り込んだのである。

しかし、板の間にひれ伏す茂作たちを前にして、吉良次はしばらく呆然と立ち尽くしていた。茂作ら家人達のすぐ背後、粗末な寝間の上で、大きなお腹をした全裸の年若い娘が全身汗まみれになって悶え苦しんでいる最中だったからだ。

茂作達を無視して、その娘のすぐ傍へと近付くと、さすがに吉良次も息を呑んだ。どう見てもその娘は、子を産むには余りにも幼なすぎたからだ。それが一体何故、このような状況になっているのか、それに既に破水している様子で、今すぐにでも産まれそうな気配である。

「ウギィィーッ! アウゥッ、お、おっ父ぉぉっ! アグッ、イギィィーッ!」

寝間の上で、お腹だけが大きく膨らんだ幼い娘の華奢な裸体が七転八倒している。吉良次は慌てて叫んだ。

「これ、すぐにこの娘のお産を手伝ってやれ!」

そんな吉良次の命令で、イネや茂作の息子たちが再びお雪の体を抑え付けに掛かった。何もしていない茂作までもが、その場を取り繕うようにお雪の傍に付き添った。

しかし吉良次は、今もまだ信じられない思いだった。目の前で悶絶しているその娘は、子を産むどころか、子を孕むことすら早過ぎると思えたからだ。

まだあどけなさの抜けきらぬ、愛らしい顔立ちの娘・・・・。目も大きくて端正の整った美しい顔立ちだった。が、いくらどう見ようとも、まだ十四、五にも満たぬ年端であることは、その頬に汗で吸い付く下がり端の和毛(にこげ)の細さからいって、まず間違いない。

そんな初産の苦悶にのたうつ娘のあどけない顔を見詰めていて、吉良次は次の瞬間ハッとなった。消息不明の藍姫の御年が、今は十三であったことを思い出すと共に、こんな深い山奥まで、この樵の一家を探してこうしてわざわざ自分が訪れたのか、その目的をようやく思い出したからだった。

「こ、これ・・・・主人」

震える声も隠しきれず、吉良次はこの家の家長である茂作を呼んだ。

「へへぇっ!」

突然呼ばれた茂作は、お雪の傍から急いで立ち上がり、素早く吉良次の前にひれ伏した。

お雪の苦悶の喘ぎ声が満ち溢れる中、吉良次は懐から例の「家紋の刺繍が入った絹布」を取り出して茂作に見せた。

「これに見覚えがあるな」

一目見るなり茂作は「へいっ」と答えた。

「どこでどのように手に入れた?」

吉良次の問いに、茂作は愚かにも正直に、

「へへぇっ、山で拾った赤ん坊が包まれてやしたんです」

と答えた。

平静を装いつつ、吉良次は更に茂作に問いただしていく。

「で、その赤子はどうした?」

茂作は馬鹿というよりは、嘘を語る知恵がなかった。ましてや身分ある吉良次を前にして、嘘を吐く度胸すら持ち合わせていなかった。

「・・・・そのぉ、え〜、実は・・・・」

「はっきりと申せ!」

「へ、へいっ・・・・、・・・・その、あのお雪がそうでごぜえます」

ひれ伏したまま茂作は振り返りもせず、今も陣痛で悶え苦しんでいるお雪の汗まみれの小さな裸体を指差した。

そんな茂作の返事に、吉良次は言葉を失い、その顔は引き攣っていた。

吉良次の胸中は複雑な想いに捉われていた。吉良次にすれば、藍姫の存命と発見は大きな手柄である。しかし、笑顔どころか沈痛な面持ちで、悶絶するそんな年若いその娘をじっと見詰めるばかりだった。

そして、しばらくして吉良次は再び、目の前にひれ伏している茂作に問うた。

「なぜ娘はこのような幼い年端で身重なのだ? 見たところ十二か十三であろう」

吉良次のそんな質問に、顔を上げた茂作は照れくさそうに笑顔を浮かべて言った。

「へへっ、あっしがそのぉ、小さい頃から面倒を見てやって・・・・、それで、まあ、何年も前から何かと可愛がってやってるうちに、あいつも、かなり、あっしとそっちの方がそのぉ・・・・」

「わかった、もうよい!」

聞くに耐えられず、吉良次は茂作の言葉を遮った。驚いた茂作は、再び床に額を擦り付けるまで深く頭を下げた。

吉良次の口から深い溜息が漏れる。

吉良次は悶絶する娘の苦悶の表情を再びジッと見詰めた。まだ十三でありながら、余りにも痛々しい姿だった。

娘の小さく細い脚腰・・・・、それに毛もそぞろな、その幼い女芯の様を見れば、これが初産であることも、そしてどれだけ過酷な状態に身を置いているのかも明らかだった。

このような下賎な男の家で育てられたばかりに、養父の慰み物にされ、挙句はこの年端で養父の子を孕まされ、初産の苦しみを味わわされている、まだあどけなさの残る樵の娘「藍姫」の余りにも無残な姿・・・・。

「ウウーッ、痛いぃっ! おっとおぉっ、ウウゥゥーッ!」

それでも藍姫は、そんな酷い養い親である男を苦悶の中でうわ言のように呼び続けている。これでは怒りに任せてこの男を手打ちにすることすら出来ない吉良次だった。ましてや、女人の出産に男性である自分が居合わしていることとて、本来なら高貴な女人にとって恥や辱(はずか)しめになることでもあった。吉良次に出来ることは、もはや立ち去ること以外、何も無かったのである。

吉良次は足元にひれ伏している茂作に対して言った。

「わしがここに来たことは忘れよ。一切口外ならん!」

「へへぇーっ!」

そう答える茂作の前に、吉良次は銅銭の入った小袋を放り投げた。

「これからもその娘と生まれて来る赤子共に面倒を見てやれ」

「へへぇーっ」

茂作がそう答えると、吉良次は素早く踵を返し、足早に小屋の外へと去っていったのだった。

身分の高そうなその侍が去っていったのを見て、茂作は安堵したのも束の間、お雪のことも二の次とばかりに、その武士が置いていった袋の中を確かめた。ジャリッという音から銭だと思っていたが、まさにその通りだった。数えるまでも無く、茂作一家が一年は遊んで暮らせるほどの金額だった。

「うほぉっ、すげえ大金だあ!」

喜びに震える茂作。が、背後からの悶声を耳にして、慌てて振り返った。

悶絶するお雪へと慌てて近寄り、汗だくのお雪のあどけない顔を嬉しそうに見詰める茂作。

絹の衣が金を産み、そこに包まれていた乳飲み子が、いよいよ茂作の子を産もうとしている。そこまで成長したお雪の姿に茂作の感慨も深い。

「ウウゥーッ・・・・ウウゥゥーッ、ハアハアハア・・・・」

誰に教えられた訳でもなく、息み始めるお雪。そんな様子を茂作は、手に汗握りながら、じっと熱く見詰め続ける。

そんなお雪の切迫した息遣いに、小屋のすぐ外の板壁に身を寄せ、じっと耳を傾けている吉良次の姿があった。彼も手に汗を握り、お雪(藍姫)の無事な出産を祈っていた。

養父にあそこまで御身(おんみ)を汚されていたとあっては、もはや何もかもすべてが手遅れだった。樵男の慰み物となり、挙句に樵男の子まで産まされようとしている今の藍姫を、もはや主君「柴田勝家」の元へ連れていったところで彼女が幸せになれることなど決して望めなかった。いや、なまじこれから高貴な立場に身を置くことになろうものなら、これまでの暮らしの恥辱を意識して自害に及ぶ恐れさえあった。

捜索に費やした年月を苦々しく思う吉良次。そして、今の彼に出来ることは、主君前田利家に、藍姫が既に亡き人であったと虚偽の報告をして捜索を完全に打ち切り、「藍姫」をこのまま「お雪」という樵の娘として、そっとしておくことだけだったのである。

そして、そんな吉良次にもう一つ出来ることがあるとすれば、せめて藍姫が恥を重ねないようにする為、藍姫の出産する場に居合わせず、こうして小屋の外で気配を消しながら、幼くして初産に臨んでいる藍姫の無事な出産を祈ることだけだった。

「ウウゥゥーッ、イギィィッ! ハアハアハアハア、ああぁぁあぁぁーっ!」

小屋の外まで漏れ響く藍姫の苦悶の喘ぎ声が益々熾烈になった。

「おおっ、頭が出て来た! いいぞ、その調子だ、頑張れお雪っ!」

そんな茂作の声が吉良次の耳にも届く。

「ウングッ、グッ・・・・ギッ、ギィャアアアァァーッ―――!!」

まさに乙女の断末魔の絶叫が、山空を突き抜けるように上がった。思わず息を呑む吉良次。

そして、しばらくすると、「フギャッ、フギャッ」と赤子の泣き声が板壁の向うから聞こえてきた。

「よおし、やったぁ! 早く産湯だ。イネ、早く、早くしろ!」

小屋の中がたちまち慌ただしくなったそんな気配に、尚も吉良次は耳をそばだてていた。あのような幼さも残る華奢な身なりで、お腹だけを大きく膨らませている姿を見てしまった上は、出産を終えた藍姫の安否が気になって仕方が無かったのである。

しばらくして小屋の中から、再び樵の男の声が聞こえてきた。

「お雪ぃ、よしよし、よくやったぞぉ〜、よく頑張ったなぁ。ほれ、べそべそ泣くな、もう痛いのは済んだろう? おいお前たち、ほら、早くお雪の体を拭いてやれ」

そんな樵の男の声を耳にして、吉良次はようやくホッと安堵したのだった。

これでいい、と吉良次は一人、小屋のすぐ外で頷いていた。高貴な姫君ならば恥辱の限りの暮らしであるが、山奥で樵の娘子として生き続けるならば、もはや藍姫は何も愁うことはないのだ。拾われた子が養父の慰み物になることなど、珍しいことでも何でも無い。むしろ人買いに売り飛ばされること無く、こうして手元でここまで育ててもらい、養父の子を産むことすら許してもらっているのだから、藍姫は良い養い親に拾ってもらったのかもしれないのである。吉良次はそう思い切ることにしたのだった。

こうして吉良次は小屋を離れ、待機させていた供の部下たちを従えて山を下りていったのだった。

「ヘッヘッヘッ、お雪ぃ、でかしたぞぉ〜。それにしても、お前はやっぱり、どっかのお武家さまのお偉い姫さんだったんじゃなぁ・・・・グフフフッ・・・・」

小屋の中、すっかり疲弊し尽くし、汗まみれのその小さな裸身を今もぐったりとさせたままであるお雪に、茂作はそう声を掛けてやりながら、淫靡な笑いを堪えられなかった。

 

結局、それからも藍姫は、自身の素性をまったく知らぬまま、この山奥の粗末な小屋で、養父の茂作に可愛がられながら暮し続けることとなる。しかも翌年、藍姫はまたしても茂作の子を身篭り、無事に産み落とすのだった。 

 

それでも・・・・、

 

「お雪」は、幸せだった・・・・。

 

 

 

 

 

【 短編小説の部屋 】

 

 

 


《注意》

この物語はすべてフィクションであり、登場する如何なる人物、団体、国家、人種、地名及び地域等、すべてが架空のものです。また、男性にとって有利とも受け取れる女性の心情に関する心理描写、及び身体機能の記述は、すべてが事実と異なる誤ったものです。

 

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